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キモ画伯に聞く

日本の人々とのふれ合いは「心の絆」の大切さを思い起こさせてくれます。

銀器づくりと筆づくりを体験した感想はいかがでしたか?

創作を天職とする者にとって、いかなる分野であれ、何かをつくる作業は本当に楽しいものです。絵を描くことへの大きなインスピレーションをもらうこともできます。

私は陶芸もしていますので、銀器づくりには、形のあるものを仕上げていく共通した面白さを強く感じました。私がトライしたのは簡単なお皿でしたが、工房で手の込んだ作品を拝見したときには、その繊細さと技術の高さにびっくり。たたくだけで細かい凹凸や緻密な線を表現する技法には、ただ驚くばかりです。

筆のほうは私の仕事にとても欠かせないものなので、いつも筆選びには細心の注意を払っています。少年時代に水墨画を習ったことがあるので、東洋の筆にもある程度なじんでいますが、日本画用の筆は、とくに繊細な線がほしいときには欠かせないものです。とはいえ、こんなに手間をかけて一本一本作られているとは思わなかったので、これから筆を買うときは、作っている人たちのことにもっと思いを馳せるでしょうね。

日本には何度も来られていますが、いつもどんなことを楽しみにしておられますか。

こうして日本文化の一端に直接触れられることも大きな楽しみです。

 

ただ買い物をしたり食事をしたりするのと違って、私と分野は異なっても、みなさん一つの道を極めたアーティスト。その存在には深いリスペクトを感じますし、彼らと触れあうことでいろいろなインスピレーションを受けることもできる。短時間とはいえ、心がつながり合う感じがします。

 

心の絆ということでは、キモ画伯がもっとも大切にしておられる対象は何ですか?

私にはパール(真珠)とモハナ(ハワイの言葉で大きな海)という2人の娘がいて、彼女たちは私の本当の宝物です。娘たちも大きくなれば、小さいころのように私とふざけ合ったりじゃれ合ったりする時間も減っていくでしょうが、家族との心の絆は私をもっとも深いところから支えてくれるものであることは間違いありません。

もうひとつは、私の作品を愛してくださるファンの皆さまですね。とりわけ日本のファンの方々はいつも熱心に作品を鑑賞してくださって、気持ちがつながっているのを実感します。住んでいる場所は離れていても永遠に途切れることのない絆を感じずにいられません。