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次に訪れたのは、墨田区の「旧安田庭園」。江戸時代に大名庭園として整備され、明治期には安田財閥(現在のみずほフィナンシャルグループの前身)の祖である安田善次郎氏が所有(現在は墨田区が所有)したことで知られる名園です。
すぐ隣に、両国公会堂のレンガ色の壁と緑色のドーム屋根をのぞみ、コジマの浮かぶ心字池の周りを散策路が囲む回遊式庭園には、様々な植物が式折々の彩りを添えています。花の季節には少し早い時期ではありましたが、日本庭園の醸し出す風情にひとときを楽しむラッテンベリー画伯。庭園に名を残す安田善次郎氏が、あのオノ・ヨーコさんの曾祖父にあたる人物であることをお聞かせすると、「そうなんですか!」と驚かれていました。
「日本式の庭園はとても気持ちが落ち着きますね。サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジの近くにも日本庭園があり、家族とよく行っているんですよ」
と、画伯。子供のころから訪れていたと言うその日本庭園に咲く満開の桜は、いまもラッテンベリー作品における重要なモチーフになっています。
残念ながら桜にはまだ早い時期でしたが、心安らぐ庭園の佇まいに多忙な滞日スケジュールの中でひとときのくつろぎを見出されていたご様子でした。
最後に訪れたのは台東区の浅草橋。人形や手芸用品、文具類の問屋街で、近くには船宿も建ち並ぶ江戸時代から賑わってきた商業の街です。
両国から浅草橋までは、墨田川の堤防を歩いて移動。川面には3月の暖かな光がきらきらと映え、ゆりかもめがのんびりと浮かび、吹く風がとても気持ちのよい午後の散策でした。
浅草橋から人形店には、職人技を極めた見事な人形がずらり。
「ミニチュアなのに、どの人形や飾りも本物のように手が込んでいて素晴らしいですね。娘と息子がいるので興味はあるのですが、さすがに高級品になるととても値段が高くて驚いています。」
以前、日本の知人からもらったと言う雛人形は、とても気に入っているそうです。
問屋街の浅草橋には、アートフラワーや昔懐かしい玩具の専門店も多く、心和むひとときをすごされました。